コラム

第10回 全て自分の責任

 私が甘いことを言ったりやったりしていたせいで(コラムも書かず…)、後期に入りチームは3連敗。特に、前節は90分までリードしていながら、ロスタイムに2点を献上しての敗戦・・・。さすがにショックも大きかった。前期の成績から考えると、プロの世界なら監督は首になってもおかしくあるまい苦笑。

 要は大切なことをすっかり忘れて、少なくとも私は調子に乗っていた(心理学用語でいえばまさに「エゴ・インフレーション」の状態…)。省の弁しか出てこない。

 中島(2014)によれば、「本当の意味でのカウンセリングマインド(すべて自分が悪い)を実践していると、組織に問題など起こりようがない」という。それは、「他者を責めることがないから」である。(ここからは専門的になるが、「心理臨床の専門性は、全ての事象を“自らの課題として考える”性質を併せ持つことを要求されることにある」と言う。そして、(誤解を恐れずに言うと、と前置きした上で、)「他者の問題と認識しても、同時に自らの問題として考え続ける」、ということであると言う)。しかし、この3試合は改めて自覚を促される必要もないくらいに、私の采配や向かう姿勢に問題があった。勝負の世界は非情だと言われるが、そんなことはないのではないかと感じるようになった。むしろ多くの場合は(全てではないと思うが)、親切なくらいに、そうしたことは「結果」として教えてもらえる。今回も非常にわかりやすく、いくつかのことを教えていただいた。ありがたく受け止め、自分のこととして猛反省するしかあるまい。

 さて、いずれにしてもこれで前期の貯金はすべて使い果たした。ただ、幸いにも、まだほぼすべてのことが(優勝は無理だが)自力でどうにかなりそうな段階である。

 河合隼雄先生のご著書には、「後から考えて『よかった』と思うことは、多くの場合、マイナスの形をとって顕われてくるものである」とある。 注)齊藤ゼミのサッカー部員は皆読んだよね!!

 もう一度誠実に戦う準備を、今週はしっかりと整えていこうと思っている。

                                                                                                                                                                                                                       齊藤 茂