コラム

第2回 「小さなこと」

前回、小さなことこそ大切にできるチームを作りたいと書かせていただいた。「小さなこと」とは、具体的にどういうことだろう!?

2010年、甲子園春夏連覇を成し遂げた沖縄興南高校野球部の我喜屋優監督が著書のなかで以下のようなことを書いている。
「人の嫌がることを率先してやる、どんな小さなことでも手を抜かない、嫌なことや辛いことから逃げない」。どんなことでも最終的にはその人の「心」が決めるのだという。
例えば、四番打者であった
真榮平選手について。
目に見えない『裏の部分』を決して怠らなかった。朝の散歩やゴミ拾い、グラウンド整備など、人の嫌がることを真摯にやり続けていた。彼は表の四番打者であると同時に、裏の四番打者でもあった」

次に、栄花直輝選手が剣道世界一になるまでの心的鍛錬について、次のように書いている。
「一の清掃、二に勤行(ごんぎょう)」。初心に返り道場拭きから始めてみることにした。何が見つかるかは分からない。しかし、何かをしなければ変わらないと思い、20033月アメリカで開催された第11回世界大会の出発直前まで道場掃除を続けた。結果は個人・団体優勝。
何が変わったか?確かなことはいえないが、競技力向上に直結した一般的な強化方策だけが、成績の向上につながるわけではないということ。清掃から得たことは、『勝とう勝とう』という強すぎる気持ちを払拭できたこと。そのことが『無心の技』を打つ可能性を高めたのかもしれない。心の成長による心技体のバランスに変化があったように思うのである」

そして、もう一つ。
「小さなこと」は続けることに意味がある。たとえ、その時は「意味のない、無駄なこと」だと思ったとしても、継続することによってのみ意味が見い出せるのではないか。
2011年のアジアカップ準決勝の韓国戦の後半、本田選手の外したPKをゴールに押し込んだ細貝選手(現在ヘルタ・ベルリン所属)から、翌朝1通のメールが届いた。
「おはようございます!!本当に続けていて良かったです!!Jリーグでは一度もこぼれてくることはなかったですから
http://www.youtube.com/watch?v=z5rtmk-TLRA
何年も、数パーセントしかない可能性に対してチャレンジし続けた結果であったと思う。
まさに、「継続だけが力なり」

さらには「小さなこと」を続けていくことで、「小さなこと」にも気づけるようになるのだと思っている。

 齊藤 茂