コラム

第5回 「2013シーズンを終えて」

去る11月4日、北信越大学サッカーリーグの2013シーズンが終了しました。今シーズンの最終結果は、4勝3分7敗、勝ち点15で5位、 2014シーズンの1部リーグ残留が決定しました。入替戦なしでの自動残留(5位以内)は、1部昇格から3シーズン目で初めてのことです。正直な気持ちですが、「残留」という最低限の結果を残せたことへの安堵感が大きい気がします。毎年、この時期は2部の上位チームの情報を集めながら、入替戦を常に意識していましたので・・・。
その一方で、1部へ昇格して以来、我々がそれまでに築きつつあった「松本大学のサッカー」を、未だに北信越1部の舞台では発信でき ていない、ということを痛切に感じているところです。原因はいろいろとあると思いますが(フィジカルコンタクトが強い、プレッシャーが早い、スペースがない等々)、「できなかった」というよりは、「本気でしようとしなかった=こだわりが薄れた」という表現があっていると感じています。というのは、「強い、早い、高い」とは別の基準と発想でやるのが、我々の目指すサッカーであり、そこには「こだわり」が必要なのです。

私自身の現役時代は残念ながら、徹底して「蹴って走ってゴールを奪う、「強い、早い、高い」を競うサッカー=蹴球」をやってきたわけですが、大学時代に「サッカー(『蹴球』で はなく)」を聖和学園女子サッカー部の国井先生から学んだことは以前のHPにも書かせていただきました。この学びをもとに、我々のサッカーは「ボールを大切にすること(Love the Ball.)」をコンセプトとしています。ボールを保持していなければ攻撃をできないのが、サッカーというスポーツです(偶然には何か起こるかもしれませ んが、それは「事故」と呼ばれ、「再現性」はありません)。「唯一の武器であるボール」を保持する(少なくとも簡単に相手にわたさない!)ために、ボールを蹴らない、ボールは走らせる(極力浮か さない、滑らせる)、見て判断する、受け手のことを考えたパス(スピード、回転、付け足etc.)、出し手のことを考えたアングル作り、パスを出すことを 考えて立つ・・・。
国井先生からは「ボールがなぜ丸いか?」を問われ、「ボールはいくら走っても疲れない」ことも教えていただきました。

また、このサッカーの根本の部分には、仲間 への「思いやりのこころ」が流れていなければならないと思っています。仲間 の要求に答えるための技術、判断、そして「心づかい」のトレーニングをしなければならないのです(日常生活においても!)。さらに、我々は「見ていておもしろい、ワクワクするサッカー」をしたいなと思っています。見ている人にも思いを馳せる、そんなサッカーをしたいわけです。

というわけで、心はすでに来シーズンへと向いています。FC.マツセロナが中信カップ決勝で香らせてくれた「松本大学のサッカー」を、北信越1部の舞台でも徹底して表現していく決意をした次第です。
そのために、これから多大なエネルギーを投入していこうと。

最後に、今シーズンもたくさんのご声援をいただきました。先週末もたくさんの保護者の方々やOB・OGに、遠方まで駆けつけていただきました。心より感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。
来シーズンは上位進出を目指し、一層精進していく所存です。

今後とも温かいご支援をよろしくお願いいたします。

齊藤 茂