コラム

第7回コラム 「バカと弱者に用はねえ!」

いきなりよろしくないタイトルで申し訳ないが、新チームに向けて、最近私がよく口にする言葉である。よろしくない表現だと自覚はしているが、今のチームには必要な言葉だと感じているし、個人的には気に入っている笑。

“バカ”と“弱者”。
今回はそれぞれの言葉について書かせていただく。

まずは“バカ”という言葉。
私の言う“バカ”は、もちろん「勉強ができない」という意味ではない(ちなみに、勉強なんて、しっかりやれば誰でもできる!できない人はしっかりやっていないだけで、決してバカではないと思ってほしい)。では、どんな者が本物の“バカ”なのか?それは今、自分がしなければならないことは何なのかのか、がまるで分かっていない、つまり、それを考えようとしない・考えられていない者、例えば、周りを見ればやるべき仕事がある・仲間が困っている等々あるのに、ただ何も考えず(もしくは今する必要のないことをして)、ただただそこに突っ立っている。そんな頭を動かせていない者を見つけると、「バカになるなよー!」と伝えている。

先日、大学野球日本一になった上武大学の谷口英規監督をゼミ生と訪ね、お話をさせていただく機会を得た。谷口監督は(“バカ”などという汚い言葉は使わず!)“感じる”という言葉で、上述と遠くないことを表現されていたと思う。谷口監督曰く「今年のチームは感じることができる選手が揃っていた」、「こちらが伝えたいことが目を見ただけで伝わる」と。代打を告げようとするとすでに準備ができている、作戦を出す前から選手にはそれが分かっている、ノーサインでもやりたいこと・やるべきことをやってくれる。だから「流れ」ができる、と。そして、チーム内では日頃からの気遣いも非常に大切にされているとのことであった。それが試合で、特に大切な場面では出てくるのだろう(緊張すると、一層普段の取り組みが無意識的に出やすい!)。強いのは頷ける。

次に“弱者”のほう。
私の高校時代の悪友が、「弱者に用はねえ!」とよく口にしていたな。

私は、“弱者”をすぐに自分に負けてしまう者・弱い自分が出てきてしまう者を指して使っている。例えば寒い日の朝、誰だって布団から出るのは辛い。私にしても、「もう少し子どもと温かい布団に・・・」と毎朝思う。それが二日酔いの日となればさらに・・・(こういう日の前夜は、すでに弱い自分が私を支配していたと思われる)。ちなみに、私は4歳の次男と寝ている。冬は暖かくて非常に気持ちが良い(逆に夏は暑いので、一緒に寝るのが辛い・・・)。
話を本題に戻して、弱い自分はいろいろなところに顔を出してくる。それがいざというときに限って出てくる。重要と思われる場面において、「弱い自分が出てしまった・・・」という反省の弁をよく耳にするではないか。「諦め」の感情もこれに近い(例えば、敗戦濃厚の場面で「もうダメだ」と試合を投げてしまう等)。たまには自分に甘くするのもいいだろう(休みやご褒美が必要なときももちろんある!)。しかし、人生には絶対!というときがある。そして、人生はそんな選択の連続だ。そのときに、自分に負けてしまう者が“弱者”だ。弱い自分が全面に出て、楽な方に、楽な方にと選択する者が“弱者”だ。そこには、「奇跡」と呼べるような体験も、「涙が出るほど、辛くて、厳しくて、嬉しい」体験も待っていないぞ(自戒!)。
上に同じく、日頃から強く意識して生活していかねば、大切な場面では必ず弱者が顔を出してくる。

“バカ”と“弱者”はよろしくない表現だとは思っているが、このチームに必要がなくなるまでは積極的に使っていこうと思う。

齊藤 茂

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