コラム

第8回コラム 「希望」という名の病気

お久しぶりです。遅くなってしまいましたが、今年もよろしくお願いいたします。来年は、必ず新年のあいさつをさせていただきます苦笑。

コラムの催促を初めていただいた(感謝!)。書こう!とは思っていました(本当に)。しかしなかなか良いタイミングが(という言い訳・・・)。そこで、ちょうど本日、新チームも本格始動したことであるし、また、私の担当するゼミの最終講義もあったので、そこでさわりだけした話(2013年12月21日の読売新聞朝刊13面、鵜飼哲夫「希望」という名の病気を参照)を残させていただくことにした。

さて、今年は午年であるし?!、競馬のお話から。上述のコラムによると、9種類ある馬券の買い方のうち、最も難易度の高いのは、1-3着となる馬の着順までぴたりと当てる「3連単」で、的中率はわずか0.53%。次いで難しいのは、1-3着に入る馬の組み合わせを当てる「3連複」で、的中率はこちらもわずか2.2%らしい(日本中央競馬会(JRA)による)。いずれも当たれば万馬券になる可能性もあるが、なかなか当たらない。JRAも導入当初は、これらがどこまで売れるか、疑心暗鬼だったという。

しかし、である。年間2兆4千万円というJRAの売り上げのうち、なんと35%が最難関の「3連単」で、これに「3連複」を含めると売り上げの50%を超えるという。鵜飼氏は、「めったに当たらないのに、もしかしたら自分は当たる、いや、きっと来る、と信じて馬券を握りしめる行為を、夢とロマンに賭けるキャンブラーの栄光と悲劇というべきか、馬やジョッキーの戦績を徹底分析したうえで行う科学的英断というべきか、それとも根拠なき自信というべきか」、と。そして、「ハイリスク・ハイリターンの高額配当は夢を生むが、絶望も生む」とも。

競馬好きだった劇作家、寺山修司は、著書「競馬放浪記」に「人間が最後にかかる病気は、『希望』という名の病気である」と記している。「ああ、せめて、もう1レースあったら、きっと取り戻せたのになあ」と・・・。

本日の朝、2014年シーズンの目標を確認した。徹底してサッカーの質を追求し、同じく勝負にも徹底してこだわる。他チームから「嫌われる」チームになろう、と確認した。ここには書かないが、勝ち点など具体的な数字目標もある。我々は適度な「希望」も抱きながら、ただし、地道にいこうと思う。

2014シーズンも、ご声援をよろしくお願いいたします。

齊藤 茂