コラム

今節は北陸大学戦

 2014シーズンが先週開幕し、初戦の金沢星稜大学戦を1-0で勝利することができた。後半25分過ぎ、選手が戦っている姿を見ていると涙が出てきた。「いかんいかん、まだ試合中だ。勝ったわけではないぞ、監督がこんなことでは・・・」。しかし誠実に戦う選手の姿を見て、「これならやられないぞ」という頼もしさ、そして強い確信のようなものもどこかにあった。ベンチで一緒に戦っている私がそう感じられるほどに、強い心で戦ってくれた。

 対戦相手であった金沢星稜大学さんは、昨年度の総理大臣杯で優勝し、リーグも上位と僅差の3位になった強豪校であり、リーグでの対戦成績も1-3、1-5で2戦2敗。そして成績だけではなく、その誠実な戦い・振る舞いには敬意を表していた。ここ数年は、その姿勢を勉強させていただくために、金沢まで遠征をさせていただいている。

 よって当日の試合前は、「やるべきことを誠実にやる」、「勝ちたい気持ちが強い方が必ず勝つ」ことを確認し、この戦いを「決勝戦」と位置づけ試合に臨んだ。そして、「みんなの人生を変える可能性もあるほどの大切な意味のある試合」となることも選手に告げた。試合後、ここまで来る過程を共にした多くの方から祝福をいただいた。泣いて喜んでくれた父兄がいることも聞いた。この相手に勝つことができたことを、我々は様々な面において自信にして良いと、正直そう思っている。しかし、同時に我々だけの力だけで勝ったわけではないことも、帰校後に全員で確認した。

 さて、今節は昨シーズンのチャンピオン、北陸大学戦。昨シーズンのリーグ戦では、こてんぱん(0-8、2-4)にやられた。0-8直後のミーティングで、「お前らがやったのはチャンバラだ」と評した。あの試合、相手は真剣(刀)で戦いを挑んできたが、こちらは木刀だった・・・という意味で言ったのだが、今思えば、私自身が本当に真剣を持っていたのか?持っている「振り」だけだったんじゃないか?途中で味方を見捨ててしまったのではないか?・・・。

 今シーズンは、「生きざま」を見せるつもりで、戦ってこようと思う。北陸大学さん、少なくとも「しっかり」は勝たせませんよ笑。

齊藤 茂